1 勉強会がやってきたこと
会の発足と基本的立場
「合併問題勉強会」は、小川町が8市町村枠の合併を進めるにあたって「住民投票条例を求める請願」(請願団体「合併について住民投票条例を実現する会」(代表西田一雄)運動を進めた有志が、7月10日「呼掛け人会議」を開いて結成しました。
8市町村枠の合併が破綻した直後から「別の枠組で合併を進めたい」とする町長の態度に呼掛け人会議に集まった21人の有志は、合併は住民の将来に関わる重要問題だから住民の立場で「現在進められようとしている市町村合併をめぐる諸問題をいろいろな角度から勉強してみよう」と、いうことで一致し、会の基本的立場を次のように確認しました。
この会の目的とめざす方向
目的 合併問題を中心とした勉強会とします。
めざす方向 勉強を進める中で、「合併に賛成」「合併に反対」など、合併そのものに対する個人の意見が異なったとしても
「住民こそ主人公・町のありようは住民が決める」立場で「合併する、しないは住民投票で決める」ことをめざしたいと
思います。
説明 小川町が他市町村と合併することについては、「反対」「この枠組みなら賛成」などさまざまな意見があると思います。
この勉強会は、どちらか特定の立場から勉強をするのではなく、市町村合併を考える場合に必要と 思われるさまざまな問題を勉強する場としたいと思います。この勉強会は、「意見が異なる」「政治・信条が異なる」などで排除する事をせず、参加したい人は全て迎えるという広く開放されたものにしたいと思います。めざす方向は、勉強会参加者の条件とはしません。
勉強・講演のテーマと講師・参加者
第1回勉強会 「市町村合併のメリット・デメリットとは何か」 地方制度を考える
講師 自治体問題研究所・定方弘光氏 参加者 59人
第2回勉強会 「合併問題、国・地方の財政と地方自治」 三位一体の改革とは何か
市町村は合併しないと展望がないのか
講師 前都留文科大学教授・中西啓之氏 参加者 59人
第3回勉強会 「小川町財政の現状と将来」
講師 小川町企画財政課長・清水吉夫氏 参加者 34人
第4回勉強会 「国を亡ぼし、地方を亡ぼす 市町村合併に反対する」
講師 新潟県・加茂市長・小池清彦氏 参加者101人
運動の経過など
この間、行政側では6町村枠組での「合併研究会」が発足し、小川町では10月から(素案)に基づく住民説明会が行われ、11月21日には「法定協議会」結成と加盟承認議案が各町村議会で一斉に審議されようとしています。
小川町で行われた町議選挙では、地域新聞のアンケートに「住民等を行うべき」という回答が多数でしたが、当選後「新聞が勝手にそう書いた。合併推進の立場だから住民投票は必要ないという議員もいます。議員定数が選挙直前の議会で22から20人に減らされました。
勉強会の案内は、小川町議員全員及び議長にも行いました。勉強会のパネラーに町長の参加を予定しましたが、結論的には出席を断られ、町長参加のシンポは実現出来ませんでした。
勉強会は、2回の宣伝ビラを発行し、2回目のビラは新聞折り込み宣伝も行いました。新聞発表の送信をし、朝日と埼玉新聞が取り上げました。読売が衆院選挙を口実に新聞折り込みを拒否し、その分は手分けをして各戸配布を行いました。
ホームページを開設してくださる方があり、威力を発揮しました。
勉強会で勉強した成果は、行政の「説明会」での質問や、参加者の増加からもうかがえます。「説明会」参加を区長等を通じて働きかけた所もあるようです。勉強会参加者が自発的に「説明会」参加を呼掛ける運動をしました。町民の関心は高まってきています。 勉強会として、21日開かれる「法定協」審議の各町村議会の議長に11月8日の勉強会で発表した「要請書」を提出しました。
勉強会は10人の世話人で運営してきました。運動は、講演会受付、看板、写真、資料印刷、ビラ印刷、ビラ配布、口コミ宣伝、参加の誘い、講師との折衝など多数の人の協力で実施されました。
勉強会は、11月15日の討論集会をもって、一定の役割を果たして次ぎの段階へのステップを踏み出すときに来ていると考えます。今日の議論を受けて世話人会で詳細を詰めます
2 いま進められている3町3村の合併について
1 合併のスケジュール
滑川町・嵐山町・小川町・都幾川村・玉川村・東秩父村の3町3村の枠組による合併研究会が平成15年7月発足し、「新市将来構想」をまとめ、10月23日の小川町を皮切りに2町3村で住民説明会が始まりました。現在、11月21日3町3村の一斉臨時議会で「法定協議会設立、加入承認案件」の議決、16年7月頃「住民の意向確認調査」9月頃の「各町村議会の議決」を経て、合併特例法特例債適用期限の17年3月までに「新市発足」のスケジュールが予定されています。
2 3町3村の枠組での合併はどのような動機で、誰が求めたものであろうか。
小川町長の説明では、『8市町村の枠組での合併がご破算になる中で、「合併しなければ財政的にやっていけない」ので現在衛生組合が結成されている3町3村の首長が集まった機会に話しが出、3町3村合併の研究会を立ち上げられた。』ということです。(住民説明会)
破綻した八市町村枠組の合併時の住民意向調査では、全町村ともに三町三村枠組の回答はありま地方財政が危機的状況にある事はわかるが、合併を推進して国債や地方債の増発という借金政策は、急場を凌げるにしても根本的解決策なのか。合併市の住民はこの借金を返せるのか。自分たちの新市に交付される特別交付税は国民全体の借金ではないか。公債発行の尻拭いは結局増税として跳ね返ってくるのではないか。などの疑問は尽きません。
遮二無二進められている合併の理由は、小川の町長が「合併特例債の適用がないならば合併しないほうがよい」というように『財政』にある事は明らかです。地方財政の現状は、特定市町村を除いて全国的にみて危機的状況にあるのは確かであり小川町も例外ではありません。
小川町の財政は、貯金(財政町政基金)が底をつき、住民1人当りの債務(実質的将来財政負担額)も嵐山町の368千円に次いで247千円、武蔵野銀行地域経済研究所の「財政健全度調査」では埼玉県下49町村中40位で下位にランクされています。(嵐山町は33位)3町3村で合併すると住民1人当りの債務は20万円と小川町も嵐山町も大幅に減りますが、これは玉川村等の積立金に救われるものです。(玉川村は上記ランキング2位。住民1人当りの債務はマイナス185千円です)
合併特例債を目一杯使って、かつ地元負担金も地方債によって賄う計算をすると3町3村の住民1人当り19万円の将来負担が増える事になります。
3町3村住民は、合併によって玉川村を含めて、1人当り39万円の借金を背負う事になるのです。(何れも13年度末現在 第2回・3回勉強会資料)
3 理念と将来像と合併の結びつき
イ 合併が三町三村の住民の発達を保障するものであるかどうか将来構想(素案)では不明です。
合併特例債を使っての投資が、何処にどのように行われるのか豪華な建物や主要道路等)建設に使われて大手企業は潤っても、身近な道路や商店街整備には廻らないのではないか。周辺となる町村はどのように扱われるのか。中小商店や中小企業・農山林業にはどんな影響があるのか。一切不明です。
3町3村合併研究会の合併説明資料は、「市町村合併の必要性」を説き「合併のメリット」「合併で心配される事」についてのQ&Aを説いていますが、この部分は総務省のホームページの引き写しというべく、「町づくりの基本理念と方針・施策」は一般論としては尤もですが、その後に展開される「新市発展プロジェクト」「拠点プロジェクト」との結びつきは説明されていません。「拠点プロジェクト」にいたっては「新市における地域の位置付けとは関係のない、各町村がこれまで作った自らの特徴づけ」に過ぎないと説明されています。(質問に対する小川町長の回答)
「新市将来構想」は、素案であり具体的な事は「法定協」で作成とされています。従って、同説明資料の「財政シュミレーション」は「新市発展プロジェクト」や「拠点プロジェクト」は何の結びつきもなく、ただ「15年間で570億円の財政効果」(交付税等で国の補助)が得られるというものであり、合併特例債で「どんなものをどこにつくるのか」「その結果の効果としてどういうことが挙げられるのか」「住民1人当りの借金は幾らになるのか」「借金はどのように計画して返すのか、返せるのか(孫・子の代に残す事になるのか)」は一切触れられていません。(市庁舎をどこにするか、何を何処に作るか等の具体的なことに触れると「合併が壊れる」恐れがある=質問に対する町長の回答)
ロ 合併は、構成される三町三村の各地域の特性が生かされ、発達が保障されるものかどうかと
いう疑問があります。
合併する三町三村は、それぞれが特色をもつ地域であり、財政状況もさまざまですが、それらはどう生かされ、発達が保障されるのか、発展するのは中心部だけになるのではないか。これまで積み立ててきた積立金は、積み立ててきた地域で使えるのか。明らかにされていません。
4 不安と期待
6 情報の公開はどの程度か
法定協が出来たら、ホームページで知らせるほか随時広報する。
法定協は公開のはずです。法定協文書等は情報公開の対象文書です。(研究会資料は議長 の小川町
の例により公開すると回答がありました)
積極的に情報提供したいというのが小川町長の説明ですが、研究会説明資料の取扱いをみ ても住民
の側の積極的な要求がカギとなりそうです。
私たちのおかれている運動の現状
1 私たちは小川町を中心にこの勉強会を重ねてきました。小川町住民のなかでは、いま進められている町村合併が、小川町民にとって、また国民的にみても「問題や疑問がある」ので「合併には反対」、あるいは「賛成できない」という考えを持つ住民が増えていると考えられます。しかしまだ問題の所在がわからない人もたくさんいます。私たちの得たような、いま進められている合併論に対する知識は住民全体のものとはなっていません。私たちが疑問点や問題点を多くの人々に知らせることは、極めて重要です。
2 嵐山町では、私たちと同じように考え「住民投票条例制定」を求めて直接請求を行い、法定必要数をはるかに超える署名を集めました。議会で否決されましたが、新しい枠組で進められている合併に疑問符を持っている住民は少なくないと考えられます。それでも「知らせる」活動は重要だと思います。
3 残念ながら、6町村の他の町村では表立った住民の動きはなく、滑川・都幾川・東秩父では行政による説明会もないままに今日にいたっています。
4 このままでは各町村の議会勢力や運動の現状から見て、疑問点や問題点が解明されないまま、住民の意思は問われないままで、6町村合併に押し流されていくことが目に見えていると思われます。
私たちは、この時期「情報は全て公開し、住民の疑問や問題点の指摘に答えよ」「合併を進めるなら住民投票で住民の意思を問え」という旗を掲げて、いま進められている合併話の問題点を住民に明らかにする運動を構築する必要があります。
そうした活動を強める中で、「いま進められている6町村枠組みでの合併に反対だ。」あるいは「合併には賛成だけれども住民投票はおこなうべきだ」という世論が高まり、住民は文字どおり「主人公」としての選択をする事になると考えます。
当面の運動
私たちは、いま進められている合併話には大きな疑問を持ちます。従ってその解明に努めます。16年1月を目指し、新たな運動体を作って運動を進めることをめざします。
1 議会における慎重な審議を要請する。
2 疑問を解明するための公開質問状を用意し、問題点を明らかにしていく。これらにつ
いて宣伝・小集会での話し合いなどを旺盛に展開し、問題点を知らせていく。
3 大宣伝、大運動で合併の問題点や行政の対応を明らかにし、住民投票の実現を迫る。
4 3町3村規模の意見の交流と統一した運動の構築に努める。
当面掲げる旗印
合併に関する全ての情報の公開
合併は将来に及ぶ重大問題、最終的には住民投票で決めよ。
運動母体の構築
1 小川町では
@ 勉強会参加者を中心にその廻りの人たちにも呼掛けて、運動母体を作るべく12月中に会議を
開催することを提案します。
A その準備は現在の勉強会世話人会が当りますが、先ず今日の参加者の内の小川町住民全員が加
することが望まれます。
B 皆さんの協力を得て、小川町の各種団体に呼掛けて運動母体を大きくしていく事に努めます。
運動母体としての「小川町民の会」(仮称・略称「小川町民の会」)が出来た段階で「合併問題
勉強会」は解散し、財産は「小川町民の会」に引き継ぎます。
C 他の町村に、同趣旨の運動母体が作られ、それぞれが活動するための働きかけをしたいと考えま
す。
2 他町村への働きかけ。
小川町のほかの町村にも「住民投票の実施」の要求を含めた運動母体が作られ、独自に活動が進め
られるよう、働きかけと求められれば必要な講師派遣などを行います。
3 運動の交流と統一を目指す。
住民運動は、地域町村の特性を踏まえ、住民の要求に基づいて行うものですから、運動は基本的には各町村住民団体が行うことになりますが、「合併」問題は、行政側が統一した「研究会」「法定協」で活動するわけですから、住民運動の側も経験交流と運動のゆるやかな統一、相互援助を目的に連絡協議会などを作るよう「小川町民の会」や他町村の「会」に働きかけ、来年1月にその第1回会議が開かれるよう努めます。
以上| 1 勉強会がやってきたこと |
| 2 いま進められている3町3村の合併について |
| 3 なにを掲げ、どう運動していくか |