ひとりごと22

小川町でも「パパ・ママリフレッシュ切符」を

 

是枝裕和監督作品「誰も知らない」は2004年カンヌ国際映画祭で主役明役の柳樂優弥君が主演男優賞に輝きました。第25回「シネマサークルおがわ」の映画会はその「誰も知らない」を上映しました。

「映画は母と息子二人が「その部屋」に引っ越してくるシーンから始まる。部屋を借りる都合上、大家には母と息子二人暮らしという触れ込みだったが、実は父親の違う他に3人の子どもたちが周りの人に知られることなく息をひそめるように同居するのだ。何度か引越しを繰り返していたらしい。母はデパートで働き生活を支えているが、子どもたちを学校や幼稚園に入れたことは一度も無い。長男以外の子どもたちには人の目にふれないようベランダに出ることさえ禁じている。それでも親子5人、それなりに幸せに暮らし始めたがその母に恋人ができ、明に「結婚したらみんなで大手をふって暮らせる、学校にも行ける」という希望が生まれたとき母は子どもたちを捨て男のもとに走った。「私だって幸せになる権利がある」12歳の明に20万円のお金を残し、「子どもたちをお願い」との書置きを残して。都会の中で置き去りにされた子どもたち4人の「誰も知らない」生活が始まる。長男は妹弟たちと協力し合い必死で自分たちの生活を守ろうとするが所詮12歳の少年。守るべきものはあまりにも大きい。」

何とも重いテーマでしたが、子どもたちのいじらしさと透明感のある明役の柳楽君の存在感が出色でした。「目千両」という言葉がありますが、憂いをたたえた切れ長の瞳が大人の身勝手さを静かに告発しているようです。映画祭で審査員が柳樂君の演技を絶賛したのもわかります。今回は入場者が昼の部、夜の部で760人を超え大成功でした。赤字が続いたのでスタッフとしてはほっとしたところです。

昼の部に保育室をもうけました。利用はいつも56人ですが、今回は保育希望者が殺到し1歳半から5歳までの24人のお子さんを預かりました。私も保育に借り出され、母を求めて泣く子を抱っこし、一緒に本を読み、毛布を使ってのブランコ遊びと久しぶりに小さな子どもたちに接しました。お母さんたちはいい映画を見てリフレッシュできたでしょうか。

都幾川村でこの4月から生後4ヶ月から就学前までの保育園や幼稚園に行っていない子どもたちを持つ親を対象に利用規定のない年間24時間分無料で使える「パパ・ママリフレッシュ切符」を配布します。担当課は「子育てに追われる若いお母さんに友人とお茶や買い物で気分転換をしてもらうために導入した」―埼玉新聞―と。対象になる子どもは90人あまりということです。小川町にも保育園での一時預かりの制度がありますが、気軽に預けられるという体制ではないようです。

初めて子どもを持ったとき、1年間育児休職を取りました。子どもはいつも「天使」ではありません。どうやっても泣き止まない子を抱いて私の方が泣きたくなったり、今思えば些細なことで思いつめたり悩んだり。何でもイヤイヤのわずか2歳の子に本気で腹を立てたりしました。私の場合は職場に復帰して預かっていただいた保育園の先生方が大きな支えでした。早めにお迎えに行き、子どもたちの遊んでいる様子を見たり、先生に子育て上での悩みごとの相談にのっていただいたり。子どもも親も本当におかげで成長させていただきました。私は、自分の経験からも子どもはいろんな方々の手を借りて育てていくものだと思っています。

「子どもは母親と一緒にいるのが一番幸せなのだ。子どもは母親の手で育てるべきである」という、その多くが年配の男性です。私はそんな方々に「1週間でいいからお一人で子どもの面倒をみてください」といいたい衝動にかられます。追い詰められたような思いで子どもと二人終日過ごしている母親がいるのではないでしょうか。枠にはめた考え方が女性の社会進出を阻んでいるのではないでしょうか。児童虐待をいうならば、少子化対策をいうならば、子育ての環境を整えること。できることをやっていくことではないかと思います。都幾川のこの「パパ・ママリフレッシュ切符」。小川でも導入できないでしょうか。議会で取り上げて行きたいと思います。(2005419